団体信用生命保険 (団信) とは?:住宅ローンの命綱
もしあなたが死亡したら、住宅ローンはどうなる?家族を守る「団信」の仕組みと、がん特約・ワイド団信の選び方。
団体信用生命保険 (団信) とは?:住宅ローンの命綱
住宅ローンを組む際、ほぼ強制的に加入させられるのが**「団体信用生命保険(団信)」です。 これは簡単に言えば、「借主が死んだら、保険金でローンがチャラになる」**という仕組みです。
残された家族には「家」が残り、「借金」は消えます。これは最強の生命保険代わりになります。
重要なポイント (Key Takeaways)
- 基本保障: 死亡または高度障害でローン残高が0円に。
- 特約 (Optional): がん、脳卒中、心筋梗塞などで働けなくなった場合も0円になるオプション(金利上乗せ)。
- ワイド団信: 持病があって普通の団信に入れない人向けの、審査が緩い団信。
- 保険の見直し: 団信に入れば、既存の生命保険(死亡保障)は減らしてもいいかもしれない。
1. 団信の仕組み
銀行が契約者となり、借主を被保険者にする保険です。 保険料は通常、金利に含まれています(民間銀行の場合)。 別途保険料を振り込む必要はありません。
注意: フラット35の場合、団信保険料は金利に含まれていますが、「団信なし」を選んで金利を0.2%下げることも可能です(健康上の理由などで)。
2. 「がん特約」はつけるべき?
最近のネット銀行は競争で、**「がん診断でローン0円」**という特約を無料でつけたり、わずかな金利上乗せ(+0.1%)で提供しています。
- がん診断給付金: 通常の保険だと「100万円」などが相場。
- がん団信: ローン残高が3000万円なら、3000万円もらえるのと同じ効果。
日本人の2人に1人ががんになる時代。+0.1%の金利(月数百円〜千円)で数千万円の保障がつくのは、コスパ(費用対効果)が非常に高いと言われています。
3. 健康診断に引っかかったら? (ワイド団信)
団信は生命保険なので、告知義務があります。 「高血圧」「糖尿病」「うつ病」などの既往歴があると、団信に落ちることがあります。 団信に落ちると、民間銀行の住宅ローンは借りられません(加入が必須だからです)。
救済策: ワイド団信 金利が +0.3% 程度高くなりますが、引受基準が緩和された団信です。 これを扱っている銀行を探しましょう(イオン銀行、ソニー銀行、メガバンク等)。
それでもダメなら、フラット35(団信加入が任意)で借りて、民間の緩和型生命保険でカバーする手があります。
4. 家計への影響:生命保険の断捨離
3500万円の団信に入ったということは、3500万円の死亡保障に入ったのと同じです。 もし今まで「万が一のために」と入っていた高額な死亡保険があるなら、その分を減らして家計をスリム化できます。
注意: 団信はあくまで「住居費」の保障です。子供の教育費や生活費は別途必要なので、全ての保険を解約しないように。
5. 結論
団信は、住宅ローン商品の一部ですが、非常に強力なセーフティネットです。 金利の0.1%の差にこだわるのも大切ですが、**「どの病気になったらローンが消えるか」**という団信の内容比較も、銀行選びの重要なファクターです。